winny開発者、金子勇の人物像に迫る作品。
この手の天才は得てして無垢である。
“暇なんでfreenetみたいだけど2chネラー向きのファイル共有ソフトつーのを作ってみるわ。もちろんWindowsネイティブな。少しまちなー。”
インターネット掲示板2chで、書き込み番号47番から付けられた呼称、「47」氏と呼ばれる事になった経緯はあまりにも有名。
当時のインターネットトラフィックの大部分をwinnyなどのファイル共有ソフトが占めた為、winnyトラフィック制限をするプロバイダーまで表れた程、当時は加熱した。
作中でも触れていたが、P2P技術の先駆者である海外の音楽ファイル共有ソフトNapsterは刑事事件で起訴、逮捕されていない。
P2P技術はその匿名性と利便性から発展を繰り返し、現在のLINEやSkype、そしてビットコインなどの技術の礎となった。
現在日本が世界に誇れるビックテック企業はあるだろうか？
残念ながら日頃の私たちが利用しているFAANGを始めとするプラットフォームの殆どは外国産で、日本は2歩も3歩も遅れている。
金子勇という1人の無垢の天才を認めて活かしきれず国家組織によって潰してしまった、当時の日本が失った代償は大きい。
