仮面の大使

Winnyの仮面の大使のレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
3.8
 未来のために立ち向かう映画。

 2002年、金子勇(東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発した。「Winny」は瞬く間にシェアを伸ばしていくが、その裏で大量の映画などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出、社会問題へ発展していき、金子逮捕までつながってしまう。金子と弁護団の戦いの日々が始まった…。

 Winny事件をもとにした映画。そんな事件があったのを今回始めて知ったし、一人の才能が警察や検察などによって潰されてしまったという事実を知り、胸が苦しくなった。

 ナイフが犯罪に使われてもそのナイフを作ったものは罪に問われない。では、Winnyを使用して行われた犯罪において、Winnyの生みの親を罪に問えるのか?正直よくわからない。でも今作の警察のように、金子さんに誓約書だといって申述書を書かせたりするのは納得がいかない。金子さんを有罪にしたいからといって、明らかに度が過ぎる。愛媛県警の汚職といい、今作の警察はひどい。

 だから、秋田弁護士の反対尋問のシーンは、とてもスカッとした。今作の中では一番のシーン。

 決して短くない時間を裁判に奪われ、研究開発は一気に遅れることになった。なんて無駄な裁判だったんだろうとも思うけど、その裁判を未来の技術者のために戦い抜いた金子さんの姿を忘れてはいけないと思う。

 

 
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