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ニジノキセキのTAMUのレビュー・感想・評価

ニジノキセキ(2019年製作の映画)
3.5
地獄めぐりだったり、怪獣大戦争だったり、おバカ映画が好きですが、本日はちょっとバランス取りに真面目な映画に。
そして難しいドキュメンタリーを見てしまいました💦

朝鮮学校への国の助成金問題。朝鮮学校の資金難は厳しさを増しており、高校無償化に伴い、公立高校へ通う子も増えているようで今や死活問題。

本作では朝鮮学校の若き先生のナレーションを通じて、前半は朝鮮学校に通う園児、小学生、中学生、高校生の屈託のない笑顔溢れる日常を映し、中盤から後半にかけて、1948年に起きた教科書闘争(戦後唯一の非常事態宣言が出た、朝鮮独自教科書の認可を巡る闘争とのこと)に打ち勝った歴史、そして、それを闘争の教科書(虹の軌跡)として、現在における助成金闘争を映す。

本作では、意図してかたまたまか、金正恩の写真や忠誠を誓う場面は登場せず。
敢えて穿った見方をすると、朝鮮学校のプロパガンダとも取れ、批判精神には欠けるところが残念なところ。

誰が見ても、朝鮮学校に通う子供たちに落ち度はない。既に4世、5世である彼らは産まれたらたまたま朝鮮人だったに過ぎない。

闘争に関わる主に大人たちは、置かれる立場上、少数民族となることだからか、アイデンティティを守ることに殊更の情熱を注ぐ。
彼らが訴える通り、「日本の子供たちと同じ教育環境を与えて欲しい」ことへの違和感はこの映画を見る限りは無い。

しかし、どうだろう。知識浅はかな前提を前置きしつつ、北朝鮮の政策は世界的に問題視されるものであり、それをどう捉えているのか。
その点の言及はなく、特に個人として思うことは、それが正義と考える北朝鮮が補助するのが一番適切なように思うが、その点はどのような理解なのか。。

子供たちの輝きは守りたいと思いつつも、手放しで補助金を認めるべきとも思えず、ちょっと複雑な心境になる。本作をバランスの良いどなたか、味わってレビュー頂けませんでしょうかw
TAMU

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