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ローリング・サンダー・レヴュー マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説ののんchanのレビュー・感想・評価

4.5
歌手としてノーベル文学賞を受賞した世界的に有名で偉大なミュージシャン、ボブ・ディラン。
正直なところ彼のことはほとんど知らないに等しい。

この美しいジャケ写に目が止まり、監督がマーティン・スコセッシだったので、2時間半は長いかな?と一瞬躊躇ったが観て良かった✨
70年代の雰囲気を感じ取られてハッピー気分になれた🎵

先ず、『ローリング・サンダー・レヴュー』とはボブ・ディランが中心となって1975年から二度に渡って行ったツアーの名称。
("ローリング・サンダー"とは暗号で"カンボジアでの爆弾"のことでもある)

このドキュメンタリーには実は仕掛けがある。
スコセッシ監督が9年も抱えてかなり遊んで制作したとみられ、架空のインタビュー等が挟み込まれている"モキュメンタリー"なんだそうです。
もちろん歌っている部分は本物。
観ながら謎探ししても良いし、観終わってから疑問を紐解くのも楽しいかも(※参照)


『人生とは自己や何かを探すことじゃない、自分創造のことだ』


しかし、30代のボブ・ディランは美しかった。目が大きいのね。渋くてちょっと顰めっ面してるような、いつも眩しそうな瞳の印象でしたが。
帽子に花を飾り、顔は白塗りし、下瞼に濃いめのアイライン。
声が良いね〜、昔はマディ・ウォーターを歌ってたみたいなこと話してたけど...努力というより天性のものなんだろうな。
キレッキレでカッコいいパフォーマンスが見られて楽しめた🎵✨👏
吟遊詩人という別名もあるけど、本当に歌うというより語っている、それがメロディに乗って観客にズキューンと響くのが画像からも伝わる。涙が出るのも理解できた。
冤罪で逮捕されたボクサー、ルービン・カーターを獄中見舞いして作った曲『ハリケーン』を歌ったところも良かった💫

ツアーでは突然に思い付いて誰かを呼んだりしてた。
サム・シェパード(当時の本人出演)に脚本の書き方を一度聞いたら「死と交感するようなもの」って言われたと近年のインタビューで答えていた。サムはツアーに呼ばれてお手伝いしたとか?そこはほんとなんでしょ?

ジョーン・バエズとの相性の良さ。2人で見つめあって「なぜ結婚したの?」「どうして教えてくれなかったの?」とお互いの結婚について話あってるのをカメラが収めてるんだけど🤔

ジョニ・ミッチェルも出て一緒に歌ってるシーンあるけど...


スコセッシ監督が楽しみながら勤しんで制作したんだろうな〜と感じられて、偉大なスターの一面を垣間見れました✨


(※)
ステファン・ヴァン・ドープなる人物...そんな人は存在しない。
ジャック・タナーって政治家も。
シャロン・ストーン(本人)は出ていて語ってるけど、当時17歳だったが、映像の中では19歳として想い出を話してる風...しかしツアーの初日に楽屋でアイロン掛けしたとかの話は嘘っぱち。


🌟ボブ・ディランの伝記映画『A Complete Unknown』(原題)が待ち遠しい🥺
ティモシー・シャラメが成り切って撮影始まってるし、相手がエル・ファニングって楽しみしかないんですが🥰
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