ブタブタ

恐怖のセンセイのブタブタのレビュー・感想・評価

恐怖のセンセイ(2019年製作の映画)
5.0
「フランスは女々しい、ロシアにしろ。ドイツでもいい」
もう一回見たら余りにも面白いので加筆します。
まず『恐怖のセンセイ』って邦題つけた人素晴らしい(笑)
コレぞ紛うことなき《ブラックコメディ》
余りにもスケールの小さい『ファイトクラブ』でもあり、それ故に間抜け且つ、その十倍位狂ってる。
壁にかけられたセンセイの師匠「達人」の写真が「赤道着」「七色帯」「日本刀」ってどう見てもインチキで、三人の達人を倒した秘密の必殺技とか胡散臭いKARATEクラブの恐怖と笑いは紙一重の異常な世界、日常がシームレスに狂った世界へと変貌していくカフカ的サイコホラー(かもしれない)
「センセイ」の分かるんだか分からないのかよく分からない格言や教えの数々。
帯の色がどうのとか形から入る、基本全部精神論、
「褒めて伸ばす」やり方で主人公がどんどん沼にハマっていく様子は新興宗教や自己啓発セミナーとか、「食べて痩せる」等のインチキダイエット、「そのままのあなたでいい」の努力を要求しない「怠惰商法」等傍から見れば明らかにおかしいのに当事者は全く分からない所とかオレオレ詐欺とかもきっとこんな感じ何だろうな~と思うと笑えない(可笑しいけど)
このKARATEクラブの闇の全貌が明らかになる後半は殆どホラーだし、「恐怖のセンセイ」ってタイトルが別の意味を帯びてくる。

そして思わず見てて声が出た最大のショックシーン。
主人公ケイシー(ジェシー・アイゼンバーグ)が特別な「夜間クラス」初参加の時にとんでもない事が起きる。
見てるこっちも
「!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚エェ━━━━━━━━━━!!」
wwwwww
それ迄のジェシー・アイゼンバーグの基本無表情なのも相まってその驚き様とドン引き具合に爆笑。

ラストの対決でケイシーが使った「必殺技」って『エル・トポ』でエル・トポが「第一のマスター」を倒したのとほぼ同じ技。
之も『コブラ会』の大ヒットから生まれたムーブメントなのか?
ブラック過ぎる笑い、主人公の小市民具合といい何か藤子不二雄A先生の漫画みたいにも見えた。
女師範アンナが最後に何かいい感じで纏めてたけどお前らそれでいいのかwwwwww
と。

ラストに出るタイトル『The Art of Self Defense』の黄色に黒の禍々しいデザイン、フォントが素晴らしい。
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