ひ弱な男。
逞しい女。
歪んだカラテ道。
恐怖のセンセイ。
堪らなくシュールな空気感。
唯一無二のユニークな世界観。
シニカルに愉しむブラックコメディ。
小心者の事務員ケイシー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、夜道で暴漢に襲われた事をきっかけに、カラテ道場に通い始めるが—— 。
もうね、ジェシーが役にピッタリ。彼以外にこの役は思い浮かばないかなぁ?ケイシー・アフレックなんかも演れるかも知れないけど、やっぱりジェシーだな。
名前まで女性っぽいケイシーは、
終始おどおどしていて、
フランス語を勉強していて、
飼い犬はダックス。
好きな音楽はAOR。
そんな彼をちょっとイカれた師範の"センセイ"が、歪んだ男性性と何かが違うカラテ道を叩き込む。
男なら、ドイツ語。
飼うならシェパード。
音楽を聴くならメタル。
これが後々の伏線になっていくから面白い。
道場で紅一点のアンナを演じたイモージェン・プーツの空手着萌えも堪らぬ。
昼の部までは平和だったけど、
ケイシーが夜の部に参加する様になってからの不穏な空気の醸し方も上手い。
何かがおかしいカラテ道場を舞台に、
終盤はケイシーの逆襲劇が胸スカ。
空手とは何か。
心の在り様は。
全ての問いに対する答えが
爽快なオチに隠されている。
インディーズっぽいオフビートは、観る人を選ぶけど、地味ながら愉しめる秀作。
*どう考えても、これは真っ当な空手ではないので、レビューの表記は全てカタカナにしました。