RAMPO

ハープーン 船上のレクイエムのRAMPOのレビュー・感想・評価

3.2
故障したクルーザーで洋上に取り残されたって状況設定のワンシチュエーション。割とよくある設定ですね。

主要な登場人物は主人公とその親友、親友の彼女の3人のみ、舞台もほぼ洋上のクルーザー内のみで低予算であることは間違いない。
洋上でクルーザーが故障し、日帰りのつもりで水も食料も積んでなくて、ある事情から積載してた機材も全て海に捨て、無線機も壊れてしまったため救助も呼べず、出航した日が悪くて近くを通る船舶もない状況で1人は大怪我も負ってしまう。さぁ3人は無事生還することができるかってお話ですが…。

んー、序盤だけかと思ったら全編にわたって軽く明るいノリ、劇伴もかなりポップでムーディなものが多くて、雰囲気だけなら全く「ホラー」は感じません。
所々挿入される独白?ナレーションも、いかにも物語っぽさを増して(事後に語られる回想を聴いてるような気分になり)、結果、臨場感を乏しくさせてます。
あと、途中から時間の経過がよく分からなくなる(劇中で5日を過ぎた辺りから)のですが、結構な時間、飲まず食わずな割に皆かなり元気で、それは終盤まで持続するのは実際のところどうなんでしょう、経験したことはないので分かりませんが。

以上のとおり「ホラー」らしさはあまり感じない作品ですが、シーンによっては結構陰惨なものもあったり、その辺が絶妙なアンバランス感・違和感となって緊張感が持続しますので意外と観てて退屈はしません。
後半クライマックスにかけて真相が明らかになる辺り、心理的にはかなり怖かったりします(シチュエーションの怖さが際立ちます)。

視聴数は少ないようですが、この手の作品の中では捻りが効いてて結構良いと思います。
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