かのん

真犯人のかのんのレビュー・感想・評価

真犯人(2019年製作の映画)
2.5
ヨンフン(ソン・セビョク)の妻ユジュン(ハンスヨン)が何者かにより殺害される。容疑者として逮捕されたのは、親友のジュンソン(オミンソク)。警察からは不倫関係のもつれが動機とされる。半年後、現場となった家にも帰らず廃人のように暮らすヨンフンのもとに、夫の無実を証明したいとジュンソンの妻ダヨン(ユソン)が訪ねてくる…

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時系列が事件前になったり後になったりと行ったり来たりで、今が一体いつの話なのかが分かりづらい。

妻が殺害され、親友が容疑者として逮捕され、警察からはその2人が不倫関係にあったと言われて。5ヶ月ぶりにそんな事件が起きた家に帰って、たった1人事件現場を掃除するヨンフンの姿が見るに耐えないぐらい辛かった。そして、現場写真をもとに事件現場や状況を再現させようとするぐらいおかしくなるヨンフン。狂っていく演技に凄みがあった。

そんなヨンフンのもとに訪れたダヨン。自分が幼い頃に両親を亡くして、姉と2人で大変な思いをして生きてきた分、夫が逮捕されて母子家庭にはさせたくないのだろう。それにしても、あまりにも自分の、自分達のことしか考えてなさすぎる言動。ヨンフンは、妻も親友も失ってるのよ。

真犯人は誰なのか。正直「そうかぁ」という結果なのだけれども、自分が引き起こしたくせに「お前のせいで」ってよくも言えるなと。中盤に出てきた「育ち」なんだろうか。

全くスッキリしないラスト。口を閉ざすのは、自分が盲信にかられたせいだ、という諦めからなのか。「後悔するならそれは真実が闇に葬られる時」
後悔しているのだろうか、後悔しているとすれば、一体いつ、どこから後悔したら良いのだろう。韓国映画らしいもやもやラスト。一応、どちらにでも転べるような終わり方にしているものの、きっと良い方には終わらない。
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