インスタグラム映え。
バカリズムがバカリズムのまま女性役を演じるというコンセプトの作品。
女性ものの服は着ている、でもメイクはほとんしていない、「〜よね」みたいな女言葉も使わない。
最初はシュールに感じる。
だけど、途中からなんの違和感もなくなる。
物語は銀行のOLたちの他愛ない日常。
ロッカールームや女子トイレでのやり取り、上司からの面倒な誘い、仕事の愚痴と休日の友人とのおしゃべりなどなど。
何事もことごとしく起こらないが、生活感の溢れた描写がすごく心地よい。
ジェンダーをテーマに掲げた作品ではない。
だからこそ、「ジェンダーを描写すること」自体について大変に深く考えさせられる作品でした。
会話の何処からを切る取るかで客に最適な頃合いと情報量でスッと落とす。
毒付き皮肉りつつも滲む働く女と男への畏敬の念ゆえか終始笑い泣きました。