ごんすけ

糸のごんすけのレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
3.9
まず、役者が豪華だった。演技も上手で、それぞれの葛藤を見事に演じられていて、素晴らしかった。人生は、ときに残酷であるが、ときに慈愛である。運命というものがあるのならば、全てを大切にしないといけない。良いことも、悪いこともである。もちろん辛いときは、投げ出したくなるし、嫌になることもある。そんなときに、どうするかが重要だ。榮倉奈々演じる桐野香のシーンが、どれも鳥肌ものだった。

「偉い人になんかにならなくたっていい、泣いている人や、悲しんでる人がいたら抱きしめてあげられる人になりなさい」

生きていく上で、人と人との繋がりを大切にしたい。縁がある、出会いがあれば、別れがある。また再開できると信じて生きる。逢えないかもしれないが、生きている限り、きっといつかもう一度再会できるはずだ。

菅田将暉演じる高橋漣が「でもまだ生きているじゃねえか」と言った。生きている、僕もまた生きている。この命を大切にし、運命を大切にし、生きているという奇跡を噛み締めたい。もちろん亡くなっても記憶のなかでは生き続けている。桐野香の両親は、宝物だと言っていた。儚い儚い命を何度も言うが大切にしていく。簡単そうで実は難しく、大変だが、大変だからこそ喜びも悲しみも、味わえる。

「糸」の意味、「ファイト」の意味、「時代」の意味、意味は人それぞれ解釈は違うだろうが、これからも受け継がれていくべき名曲だと感じる。昭和から平成そして令和、これからも年号は変われど、本作は古びれず、多くの人が見るだろう。一度きりの人生で、巡り会えることの幸せと、奇跡を噛み締め、一歩ずつ歩いて行きたい。
ごんすけ

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