はたして、二人の「糸」は、結ぶことができるのか。
時代を越えて愛される名曲だからこそ、期待値はかなり上がった。
しかし、なんだろう。何かが足りなかった気がした。
確かに、平成元年に生きた二人の人生を、
絡みながら、もつれながらも、丁寧に描いていた。
北海道の絶景、交わることのない二人、
お金、普通、成功と裏切り、大切な人の死。
平成と共に、様々な経験をし、令和で、二人は結び合う。
だけど、何かが、足りない。
手の伏線、「大丈夫」の言葉、ミサンガ。
時代を越えて、”結ぶ”アイテムはありつつも、
ストーリーの進みが早く、
感情移入が追い付かない部分があり、凄く勿体ない気がした。
また、中島みゆきを聴く層は、
それこそ、人生の色々な経験をして、染みてくる人生の先輩方。
しかし、配役は、中堅に差し掛かった俳優さん。
演技力は、かなりのものだが、やはり”重み””深み”が違う。
配役的には、20~30代のターゲットだが、
曲や中島みゆきが好きな層は、30代以上。
平成を駆けるものの、昭和を生きてる者としては、ほんの少し前。
そのギャップが、違和感を与えているのかもしれない。
はたして、その「糸」は結べるのか。
織りなす先に、何が見えるのだろう。