Mypointofview

糸のMypointofviewのレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
3.7
この役では菅田将暉さんが、非常に痩せていて、かつ冒険心がないというところから、保守的で、恋人として選ばれない必然性を上手く芝居として作り出していたように思った。それでありながら、一途で不器用な男。葵が不安定な生活をしていることを常に気にかけ、守ってやりたかったという想いに正直な行動と表情をする。彼の蓮としての芝居は一貫しており、守る男を徹底していた。未来への目的という希望がない時も、それが生まれた時も。菅田将暉さんの映画は全て観て、どう役を作り上げているのか、引き続き勉強したい。

小松菜奈さんは、決してお芝居が上手い女優という感じではないが、カツ丼を食べながら涙を流す演技など、演技テクニックをきちんと鍛えている感があった。きちんもシーンに合わせて、感情も動いている。

また田中美佐子さんの田舎のお母さんっぷりは、ナチュラルでとてもよかったです。娘のお葬式で涙を流す時、鼻を膨らませていたところは、洗練されていない感じがあって、この役にぴったりだった。

心が動いている役者の姿を、全体的に見ることができた。