けーすけ

音楽のけーすけのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
3.3
不良高校生・研二は飽き性で日々惰性で過ごしていた。そんなある日、同級生の太田と朝倉に「バンド、やらないか」と思いつきで声をかける。バンド未経験な3人の生み出す音楽とは・・・






気になっていた作品、ようやく鑑賞。

黒学ラン、スキンヘッドでいかつい見た目。いかにもワルっぽい研二とその仲間2人を中心にユルユルと、しかし時にガツガツと描く内容。

独特な作画もあいまってシュールな事この上ないところに、独特の間(マ)が随所に差し込まれているので好みは分かれるかも。セリフの合間で5秒くらいの時間が流れる事がしばしばあるので、慣れるまでは「あれ?映像止まった?」って思うかもです。



音楽や楽器の事なんて何も知らない3人だから、楽器も学校から借りた(パクった?)ベースとドラム(スネアとフロアタムのみ!笑)、そして研二の私物であるベースという、ツインベースに2点ドラムという、なんともシュールでマニアックなメンバー構成でスタート。

そんな構成でも初めて楽器を鳴らした時の衝動とか、適当に合わせただけのシンプルな曲進行はバンドのド初心者あるあるっぽくてよかった。


ビートルズの『アビイ・ロード』オマージュや、勢いでバンド名を『古武術』と名付けたり、同じ学校内に『古美術』というバンド(正確にはフォークソンググループ)がいるなど、先が予測できない展開と演出で都度笑わせてきて最後まで飽きずに観られました。

TVもブラウン管だったり、研二の女友達である亜矢がロングスカートにパーマ頭という格好で、一体時代設定いつなんだろう感もこの映画の不思議感に拍車をかけております。



研二の声を元ゆらゆら帝国のVo.坂本慎太郎が務めたり、太田を前野朋哉、朝倉は芹澤興人とヴォイスキャストも豪華。

(見る限り)一方的に敵対している丸竹工業高校のヤンキー・大場は竹中直人というぶっ飛び具合。高校生役の声でも違和感なかった。すげえ。

岡村靖幸の名前もあり「どこで出るんだろう?」と思ってたら「そこか~!」というある種のサプライズ。これまた凄かった。



ひと夏の青春を感じさせられる映画、面白かったです。

そういや研二は普通にタバコを吸う不良って表現だったのですが、吸い殻をポイ捨てせず携帯灰皿を持っているという、根っからのワルじゃないんだなって描写が好きでした。



2021/08/23(月) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-070]
けーすけ

けーすけ