悪魔の毒々クチビル

恐怖人形の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

恐怖人形(2019年製作の映画)
3.3
大きくな~れ、大きくな~れ。


「参加するだけで10万円差し上げちゃう!」と言う怪しさ満々のパーティーに参加したら、本当に10万円貰えちゃったけど代わりにガチャピンよりもデカい人形に襲われる男女グループのお話。

主演は人気アイドルグループ日向坂46の小坂菜緒。
よく知らないグループの人が主演のよくあるパターンのアイドルホラー…と言いたい所だけど、彼女達が冠番組でオードリーの二人と絡んでいるくだりが中々面白くて一時期ちょいちょい観ていたので、このグループに関してはこの娘含め名前と顔が一致するメンバーが複数人いる唯一のアイドルグループだったりします。まぁ曲は知らないのでファンは名乗れないけど。

作風も主演が主演ということで、ゴア描写など皆無ですし怖くも何ともないThe・アイドル映画って感じなんだけどメインの人形のビジュアルは中々のもの。
段々大きくなっていくのかと思いきや早い段階でステップ3つくらい飛ばしたかのように急成長した姿になっていて、物凄くシュールな存在感のあるキラーに成り果てていて最早面白い。
そんなビッグ和服人形がナイフやハンマーだけでなく、チェーンソーを持って追い掛けてくるもんだからバイオハザード4のチェーンソー男よりもインパクトがありました。
ただいくら凶器を使い分けていても、結局は直接的な描写は無いのでとてももどかしかったです。
どうやら特殊メイクは「血を吸う粘土」シリーズの梅沢壮一だったようで、尚更ゴア無しなのが勿体なかったですね。
あ、だから「血を吸う粘土」でも活躍していた黒沢あすかも出ていたのか。今作でも終盤いいとこで頑張っていました。


中盤辺りからどうやら事の発端は主人公らの過去に出会った少女に関係があることが判明しまして、回想シーンでのその少女の泣き方が「えーん」とかでなく「んああああああ゛!!!!」と完全に感情崩壊した時の泣き声で割とビビった。

終盤は某お誕生日映画みたいな雰囲気の中で、急速にでかくなった理由も明かされますがそこは賛否ありそう。
個人的にはライト過ぎる作風のせいか、そこまで気にはならなかったけどあの時人形が流した涙のシーンもあり、そっち方向に舵を切ったのは意外っちゃ意外でした。
ラストのアレも、よく考えると今作と全然関係ない気がする。

まぁ話の進め方なんかはシンプルにスラッシャーしていましたし、人形のインパクトなんかも良かったので無難に楽しめましたよ。
小坂菜緒も人気アイドルという枠組みの中での演技だったので、絶賛する程のものではありませんが下手ではなかったのであまりの酷さにファンが幻滅する事は無いかと思います。