このレビューはネタバレを含みます
キツすぎる。
前情報からラブロマンスではなく胸糞映画とは聞いていたので覚悟はしてましたが、想像してたことはまた全然違うベクトルのキツさ。
無知につけ込む社会構造の理不尽さをまざまざと描いている。
ユカは無知で刹那的でそして愚か。
でもユカだけが悪いとは思えない。この子の親?学校?身の回りの大人たち?どこにその原因があったのかを想像せずにはいられなかった。
ところで、この映画で三層に分かれる者たちが描かれると思いました。
小山田のように成功を掴める者、ユカのように生きるための労働を脱せない者。
そして最下層に服屋の同僚。最近でいうところの「弱者男性」なのかなと。
ユカはまだ仕事にありつけるし、その容姿も相俟って助けてくれる人間がいるが、服屋の同僚はユカ(やその他の女性も恐らく)に相手にされずいいように使われてしまう。いわゆる搾取の構造。
小山田やユカに同情できるのに彼にできないのは、彼が気持ち悪いから?邪悪だから?
否、慮る力がまだ足りないからだと思う。そこが社会構造の分断を埋めるヒントになるのかな、とも思いました。