芸能界へあこがれ→上京→貧乏→風俗、という
ウソみたいなザ・典型人物を主軸に据えながらも
今までにない作品に仕上がっている。傑作である。
構成や編集の巧みさもさることながら、
登場人物の描き方が素晴らしい。
出てくる人物は例外なくクズであるが
どこか共感を覚えてしまう。そんなプチ悪人の表現が実にうまい。
プチ悪人の代表である、ヒロイン・ユカは、ウソにウソを重ね、もう無理でしょ、という場面でもウソをつく。痛々しい。
でもどうしても彼女を憎めない。
それどころかエールを送っている自分もいる。
「本当の自分を知りたくない」いうユカには、
多かれ少なかれ皆共感を覚える部分があるだろう。
以下蛇足。
・ブツっと音楽を切る演出は、本作に限らずあまり好きではないが、そこは好みというものでしょう
・猿楽町みたいな結構な高級住宅街にも、こんな古いアパートがあるんですね
