薄っぺらい。学生のポートフォリオのような作品。15〜20分でYouTubeに上がっていそうなクオリティ。
“僕にはこんな演出ができます”と言われているかのような、脈絡も必然性も拘りもない断片的な表現が1時間半続く。無駄なショットが多く、最新の機材を使っているが故に何を取っても何となく綺麗に映る質の悪いMVみたいな雰囲気だった。“この絵いいだろ、これもいいだろ”と作者の独りよがりな胸懐の声が聞こえてくる。
音楽も乱雑に多用しすぎで、映画を何だと思っているのかが気になる。
強引に感傷的な演出を捩じ込んでくるので、アメリカB級映画の悪い部分丸出しで薄っぺらいなぁと少々癇に障った。
ホラーな要素がちらほら現れるのだが、テンプレすぎる演出で予想がついてしまうし、タメの間が絶望的に悪くて全く怖くないし、俳優は恐怖を感じる演技をしつつも、指示されているのだろう動作や台詞が全然恐怖を煽ってこない。どうせ無事なんだろと思ってしまう。そしてちゃんと無事。
良い機材を使ってそうだし、俳優も綺麗で、CGには結構お金かけてそうなのにこれほど中途半端な作品は中々ない。
何か大きな制約を抱えた上での製作だったのではないかと疑いたく思う。
