K助

ミッドウェイのK助のレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(2019年製作の映画)
1.3
日本軍による真珠湾攻撃から、ミッドウェー海戦での米軍大勝利までを描いた作品。監督は、ローランド・エメリッヒ。
…嫌な予感しかない(笑)。

のっけから『パールハーバー』を超えるトンデモ描写の連続でズッコケる。
戦闘機の機関銃に撃たれると戦艦は爆発し、水平爆撃は低高度で行われる、という有り得ない描写に俺の口はあんぐり。そして、ゼロ戦がハワイの民間人を嬉々として銃撃するという嘘っこシーンは、ハリウッド映画ではもう常識なのか?

米軍人はジャップを連呼し、日本人は相変わらず「謎の蛮族」状態。まあ、ある意味では正しい表現なのだけれど…。
CGに頼りっきりの画面は矛盾だらけで、全般的に兵器の重さを感じさせない描写が多い。ちゃんと取材する事を厭うなら、CGデザイナーは中学生程度の物理は学んでおいた方が良いのではないか。
兵器のデザインも間違ったものを引用していたりして、考証関係が雑。

「運命の5分間」などの有名な描写は盛り込まれているものの、全体の流れがブツ切りで相互の関連性を掴みにくく、物語の全体像を把握するのが難しい。そして、ダイジェストのような展開のまま、エンディング。
主人公らしき人物はいるのだが、劇中でスポットが当たる脇役も多く、誰に感情移入すればいいのか判断に苦しむ。その主人公らしき人物も、何の前振りもなく吐血して命の危険に晒されるという「スタイリッシュ病弱ぶり」をラストもラストで唐突に披露したりして、何が何やら…。

エメリッヒ、もう駄目かも。
K助

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