さすらいの雑魚

ミッドウェイのさすらいの雑魚のレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(2019年製作の映画)
4.0
とても面白かったぞミッドウェイ♪
で終わってもよい戦争娯楽超大作でした。監督はインディペンデンスデイの人、ほら観たくなってきた😁大画面を目いっぱい使ったド迫力で情報量過多な本作を楽しむには映画館の大スクリーンで観るのがオススメかと。
さて、画作り音響は均衡を失って快楽重視の暴走気味な本作ですが、物語はとてもバランスの取れた端正で上質なもの。太平洋戦争の開戦の経緯からミッドウェイ海戦に至る展開まで、日米双方の立場を偏ることなくそして劇的に作中で語らしめています。帝国陸海軍の対立にまで触れられてるのはちょっと驚きましたが、さすがはハリウッドと言うことでしょう。文句無し百点満点ではないかと。
メインディッシュのミッドウェイ海戦は色々なエピソードが伝説と記録と記憶が保身と名誉欲にもみくちゃにされてよく分からなくなってる感じのなか、丹念に逸話や記録を収集し活かした様子が各所に感じ取れます。が、そこは娯楽大作。エンターテイメントの原則の命ずるままにドラマティック展開、劇的な挿話が取捨選択されてる感じは間違いなくあります。でも、それは仕方無い、だって娯楽映画だよコレ。ボクの知ってる範囲だけど、変なバイアス掛かったりして大きく歪曲されたエピソードはなかったように思う。むしろ戦争の勇気も怯懦も悲劇も喜劇も愛国心も残酷さも何もかも、ひたすらに映画に奉仕させると決めた仕事師の意思と、すべてを等価値にならべ吟味する冷徹な視線が映画全体を貫いており、いっそ清々しくもあり少し怖くもあり。これが覇権国家の歴史への視線と言うものなのでしょうか。個人的には米軍雷撃隊の魂の突撃はもっと大きく扱ってやって欲しかったけど、まあ仕方無い。ミッドウェイ海戦の主役は急降下爆撃隊なのは確かだしね。脇が主役を喰っては作品世界のバランスが失われる。
いやぁ戦争映画って本当に楽しいですね♬