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ミッドウェイのTAMUのレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(2019年製作の映画)
3.9
ローランド・エメリッヒ監督が描くミッドウェイと聞いて、大味な話かも知れんが赤城や加賀の大爆破が観れるのかも知れんと、不安と期待、半々の鑑賞。

本作はトヨエツ始め、日本人俳優が多く参加し、アメリカ側だけでなく、日本側の側面も描くとの触れ込みも期待のポイント。

ではあったが、というか予定通りでもあったが、良いところ、悪いところ、あるなといった感想。

真珠湾攻撃で始まり、ミッドウェイ海戦までを追うストーリー。実在の両国将校、米軍情報部、米国海軍など複数の軸を通じて描く。

端的に言うと、米軍上層部、現場、日本軍上層部、などショートストーリーが詰め込まれるため、人と人との繋がりが良くわからず、ドラマ性に乏しく、感情移入しづらい。2時間強でこの戦局をまとめる方法も難しいのだが…

ついでに、日本軍による真珠湾攻撃の奇襲に始まり、リメンバーパールハーバーの精神で貫かれる米軍側の精神は、そりゃそうだろうと思うだけに、日本人としては見ていて辛い💦

ともあれ、興味があるのは日本軍の奮闘w
山本五十六(豊川悦司)が冒頭、流暢な英語を繰り出したり、さすが五十六ハーバード感を出す。が、日本語のセリフが英語の日本語訳っぽいと言うか、日本人そんなこと言うかな感あり。

対する日本駐留の外交官レイトンのひどい日本語に至っては、この映画の本気度を冒頭に示された気がして、心配が募ったレベル。

空母飛龍の司令官、山口少将(浅野忠信)は沈みゆく自艦に残るラストが名演。

空母赤城の司令官、南雲中将(國村隼)は出番こそ少ないが、恫喝、狡猾さ、怯え、など一挙手一投足に魅入ってしまう。
ただ、赤城の乗組員が無表情で対空砲を撃ちまくるのは違和感なんだが、あれはなんだろう。。

とは言え、ミッドウェイ海戦のシーンはなんとも凄い。おびただしい対空砲を撃ちまくる赤城と、その中を駆け抜ける米軍戦闘機や零戦とのドッグファイトシーンは圧巻!

よく描いたなと思ったのは、米軍機が日本の空母の滑走路に命がけで爆撃を成功させて喜ぶ一方で、滑走路を潰されて帰還できなくなる零戦。これが一番記憶に残ったかな。
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