みーちゃん

T-34 レジェンド・オブ・ウォーのみーちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
公開当時に観るのが叶わなかった本作。やはり良かった。映画として素晴らしかった(本当はスクリーンで完全版を観たかった!)。

あらすじを読んだだけで、こんなに興味をそそられるのってあまり無い。普通に考えたら、絶対絶命だし、一体どうなるんだろう?どうやるんだろう?と思いながら観たが、手に汗握る展開と感動が、最初から最後まで緩むことはなかった。

戦車が出てくる映画は、これまでも観たことがあるけれど、中にいる人がどんな風になるか含め、こんなにリアルに感じたのは初めて。戦車ならではの作戦や、タイムラグも、なるほど!だった。"威嚇"の概念にも痺れた。

あと、何気に心に残ったのは、戦車同士の骨太な対決の場面で、砲弾により軍鳩の小屋が破壊され、伝書鳩が一斉に飛び立つシーン。ダイナミック且つ繊細で美しい映像、ディテールを大切にする描写が、直接的に視覚となり、無意識下で感情となって、観客の心を動かすのだ、と実感した。

こんな確固たるベースの上に、友情、愛、希望、宿命など、どんな絶望的な状況でも、人間として信じたいもの、感じたいことが凝縮されているのだから、おもしろくないわけがない。音楽もとても良い。

それを、暗くならず、深刻になり過ぎず、エンタメとして魅せる勇気とバランスにも拍手。全方位に渡って素晴らしかった。