バナバナ

ヒンディー・ミディアムのバナバナのレビュー・感想・評価

ヒンディー・ミディアム(2017年製作の映画)
4.0
ラージの家はサリーをオーダーで作る洋服屋。
そこへ結婚衣装を作りにきたマータに一目惚れしてしまい、マータに猛烈アタックして、略奪婚に成功する。
そして現在、ラージは店を繁盛させ、資産家になっている。
子どもがそろそろ小学校に入学する年になるマータは、一流私立校に我が子を入学させようとラージを説得し、高級住宅街にわざわざ引っ越しし、お受験スクールにも通うようになるのだが…という、インドのお受験事情の話。

ラージが女性服の仕立て屋らしく、女性の心をすぐ掴むのが上手いというところを十分映像で見せているので、
大学出の美しい妻を略奪できたり、店を大きくできたのも納得がいくようになっている。
しかし、ラージはこの美しい妻に頭が上がらない。
奥さんの要求は凄く我儘に感じられるが、ラージは妻の
「高級住宅地に住む富裕層の一員に自分も入りたい」という密かな欲求を満たす為に、子供を一流校に入れる事に同意し、奔走するのだ。

日本では、一代で財を築いた成り上がり家庭でも、子供の学力と授業料が払えるのなら、上流私立校にも幾らでも入れるだろうが、
インドでは、ただ高級住宅街に住むだけでは下品な成り上がり者としか見られない。
引っ越しパーティでも、ヒンディー語の歌や踊りはバカにされて笑われていたが、ムンバイなんかは映画関係の子弟が多くて、それで飯を食っているだろうに、やっぱり下品だと思われているのかがちょっと知りたいと思った。

まあ、このお受験騒動がどうなるか…というだけのストーリーなのだが、
あれだけ高ピーだった奥さんが、子供の受験を夫婦一緒に苦労することで、旦那さんを尊敬する本当の夫婦になれた、というところは良かったのだが、ラストは現実離れしていて、きれいに落としたな、という印象でした。

『あなたの名前を呼べたなら』の貧しい家政婦役だったティロタマ・ショームさんが、本作では一流私立小学校の予備校のインテリ先生を演じられていて大変身してたのが、見事でした。
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