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殺し屋のHKのレビュー・感想・評価

殺し屋(2018年製作の映画)
3.5
ロン・パールマン(当時68歳)が初老の渋いベテランの殺し屋を演じます。
原題は“Asher”。洋画によくあるパターンでアッシャーとは主人公の名前。
それにしても全然売る気が感じられない投げやりな邦題でサブタイトルもナシ。
“殺し屋”が入ってるタイトルが多すぎて、検索してもなかなかみつかりません。

で、本作は巨大組織を敵に回し一匹狼の超人的な殺し屋が大活躍する映画・・・とはちょっと違います。背景も主人公も組織もかなり地味。
主人公は長年殺しの請負をやってる昔気質のベテランですが、いかんせんもうかなりの歳。経年劣化でずいぶんくたびれてきており、仕事にも支障が出る始末。

ある日仕事中に倒れ(明らかにもう現役はムリ)偶然介抱してもらった女性(ファムケ・ヤンセン:当時53歳)に魅かれ進退を考えるも、若手による組織乗っ取り計画に巻き込まれ、2人とも命を狙われる羽目に。

パールマンとヤンセンのどちらかというと悪役顔同士の大人カップルがイイ感じ。
ヤンセンは顔が最近のサンドラ・ブロックみたいにCGっぽくなってきたと思ったらブロックと同じ年でした。

パールマンが地下鉄でターゲットを尾行するシーンがありますが、あのデカい図体でコワモテの顔に黒サングラスは目立ちすぎ。どう見ても殺し屋です。
それにあのタバコとスプリンクラー、他の部屋の人が出てきたらどうするの?

組織のボス役でお久しぶりのリチャード・ドレイファス(当時70歳)登場。
この人、ある時期から顔つきや喋り方が今は亡きイーライ・ウォラックにそっくりな気がしますが、演技の影響を受けているんでしょうか。
ヤンセンの認知症の母親役はなんとジャクリーン・ビセット(当時73歳)ですが、出てると知らなければわからない状態。でもほんの少しだけかつての面影が・・・

現代の話なのに今風のハイテクの組織とエージェントのイメージとはほど遠く、なんだかんだアナログっぽくて時代遅れなところが意外と今でもありそうな雰囲気。
パールマンは製作にも名を連ねており、ダサカッコ良さがとても良い味を出しています。
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