ヒロオさん

フェイクのヒロオさんのレビュー・感想・評価

フェイク(1997年製作の映画)
4.0
凄腕FBI捜査官がマフィアに潜入捜査する話。実話に基づくクライム・サスペンス。

NYマフィアの大量摘発に貢献したジョー・ピストーネというFBI捜査官がモデル。
彼の集めた情報により、起訴200件、有罪100件が成立したため、マフィア組織からは50万ドルの懸賞金がかけられていた。

隠れた良作。
ストーリーは地味だが、様々な要素が詰め込まれており、話としての奥行きがある。
そして、その魅力を最大限に引き出し、作品に厚みをもたらしていたのが、アル・パチーノとジョニー・デップの演技力。

ジョニー・デップがFBI捜査官役を、アル・パチーノがうだつの上がらないマフィアの中堅役を好演。

話としては、FBIとバレやしないかという緊張感や、マフィア同士の微妙な権力関係と駆け引きがまず面白い。
潜入捜査モノの醍醐味、マフィア映画の醍醐味が詰まっている。

また、ジョニー・デップがメチャクチャ凄腕の捜査官なのだが、彼が組織で圧倒的な信頼を勝ち取っていく様子にも爽快感がある。

ヒューマンドラマ的要素も見どころである。
ジョニー・デップとアル・パチーノの間に芽生える、フェイクではない絆。
片やFBIとして、片やマフィアとして、職業柄感じ続ける孤独感や憂いが最高にエモい。
哀愁漂うラストには痺れた。

ジョニー・デップは、昔の演技の方が自然で良いと思った。
ヒロオさん

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