ゆうゆ

草間彌生∞INFINITYのゆうゆのレビュー・感想・評価

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)
4.0

時代 性別 人種 思想など 先端の遥か先を藻掻くように駆け抜け たくさんの壁に抗い苦悩を背負ってきた草間彌生氏の成功までの道のり。

彼女の強烈で無二の独特の個性が世間に認知されるまでの厳しい世情、試行錯誤の努力に驚く。才能と活力は持ち合わせていたものの 世間にもプロにも相手にされず その発想力は簡単に搾取され偏見と好奇と蔑みの目で受容され背かれ、様々な苦しみが皮肉にも芸術へのスパイスとなり色鮮やかで煌びやかで毒々しい花を壮大にひらいていく。

後年の目の据わった硬い表情の中にも 人との交流を欲し自身から迸る発想とひらめきを駆使し温厚な世界と愛を語る姿、彼女の中ではいまも細胞単位でアートへの活力が漲り溢れている印象だ。色んな場所で彼女の作品に出逢うたび 彼女のエネルギーを浴び 吸収していきたいと思う

有名になれば途端に崇め奉る世間の薄っぺらさ、苦境の中にも彼女の才能を見出し なんとか広めようと奔走する人たちの審美眼と努力、
芸術って大変!




2022-301
ゆうゆ

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