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草間彌生∞INFINITYのdm10foreverのレビュー・感想・評価

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)
3.9
【アジアの純真】

正直言って、僕はそれほど現代のアート(というかアート全般)にはそれほど詳しくはない。
それでも草間彌生さんの名前は当然知っているし、ポップでビビッドな水玉の作品が印象的で何故か見いってしまう。

ただ、「草間彌生」という人間についてどれくらい知っているか?と聞かれると、正直殆ど何も知らない。
カッと見開いた眼。
何処か浮世離れしたような独特の話し方。
奇抜なファッション…
どれも抽象的というか、彼女の本質的な部分というよりは、見た目だけの薄っぺらい印象のようなもの。

この作品は、彼女の生い立ちから現在までの波瀾万丈な人生を綴ったドキュメント。
と言えば「起伏の少ない作品」と聞こえるかも知れない。
でもここに居たのは私たちが知らない草間彌生。
そして私たちが知るべき草間彌生。

とはいえ、やっぱり「アート」って敷居が高いのも否定できない。
百の言葉で説明するようなものではなく、実際に一つの作品を自分の目で見て感じ取ったものが全てだから。
だから答えあわせが出来るようなものではないし、そもそも答えなんてないのかもしれない。作者の意図とは違うものを想像したって間違いじゃないと思うし。
だから、常に物事に「正解」を求める人はどつぼにはまってしまう世界なんだろうな。

この作品は「感性」に訴えかけるタイプの内容なので、観る人を選ぶかもしれない。
でも観た後で何かが変わるかもしれない、そんな不思議な作品でもありました。
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