金柑

犬王の金柑のレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.8
湯浅監督のアニメーションを存分に拝めたのとアヴちゃんの圧倒的ボーカルに満足。
なんならライブシーンよりも盲目ゆえの音から得られる情景が一番印象に残った。

パフォーマンスの突拍子の無さについ気を取られてしまうけど、私たちはここにある、共にあるということ。語り継がれなかったけどここにいた、共にいた。

琵琶の音ってもっと低音が力強くバリバリと響くものではなかったか?通常音響の部屋で観たけど琵琶もドラムも圧がかなり弱く感じた。もう少し強調してもよかったんじゃないか。
せっかく琵琶で新しい音楽を切り開いただろうにギターにかき消されていたり、森山未來とアヴちゃんのボーカル力では残念ながら圧倒的に差があったり、というところもちょこちょこと気になってしまった。

当時の彼らにとっては新しい音楽だとしても、映画観客の我々にとっては耳馴染みあるリズムを多用していたりずっと同じフレーズの繰り返しだったりで新鮮味が薄まっていたように思う。踊りも明らかにボレロがあったり。引用が悪いとは思わないけど、バランスかな……
ダンスダンスダンスールではモーキャプまで使って苦労してバレエを描き起こしてるというのにこちとらそんな話も聞かないけど悠々と伸びやかに踊り回っていててこれはもう一体…と頭抱えた。能ではない舞のダンス監修とかあったのかな、スタッフロール見逃した
コントーションやストラップ的部分もあったし、"ダンス"部分はハウスの要素が多いのかな?とかなけなしのストリートダンス知識で思った。能の足を踏み鳴らしたりするところとの結び付けだろうか。

ツダケンの安定感よ。中川さんと剛太さんめちゃ良かったな。本多さんの「どゆこと?」(うろ覚え)に笑った。
よっしゃいくぞー!も笑っちゃった
金柑

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