ぴよまろ

犬王のぴよまろのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.1
湯浅政明監督作品。南北朝〜室町時代を舞台に、実在の能楽師・犬王と、その友人である盲目の琵琶法師・友魚/友一/友有が、非情な運命に翻弄されながら、力強い歌と舞とで、自分達の歌を表現する物語。

時代劇でありミュージカルであり、そして何よりロックフェスである作品でした。南北朝〜室町時代でフェスをやったらどうなるか?という音楽作品。「室町時代でロックフェス」という、どういう発想でそれが出てくるんだというのが最初の感想笑。

フェスの表現を、路上ライブ→ライブハウス→大ステージというようにアップグレードしていくロックスターと描きつつ、不安定な時代に生まれた犬王と友魚による、オレたちの平家物語という語り口が素晴らしかったです。

異形の犬王を、可愛らしく格好よく見せるのが、さすが湯浅監督。また、平家の亡霊たちも、なぜか可愛らしい姿になっているのも魅力的でした。

演奏シーンが長いので、そこの好き嫌いはあるかもしれませんが、不安定な時代の中で、自分達の歌を熱く語り切った男たちの物語でした。
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