茜雫

犬王の茜雫のレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.4
滑り込みだけど映画館で見れた!ありがとうTOHO池袋!!

轟音上映すごかった。そもそも映画が云々というより轟音上映そのものがすごくてびっくりした。なにこれ!? 飽きるほど聞いた「ANIPLEX」が知らない音でした。ウルティラで「キングアミューズメントクリエイティブ」を聞いた時と同じくらいの衝撃。

前半は正直「ようわからんな……」と思ってた。平家物語を観てから行くとよりわかるよ!とアドバイスをいただいていた、にもかかわらず気力がなく諦めていたので(ごめんなさい)、「あ〜見ないとわからんやつかぁ」と思っていました。

が!後半、体感的にはラスト30分くらいかな?怒涛の畳み掛けと回収が圧巻でした。これでもかと一気に迫ってきて逆にびっくりしちゃったよ。後半ライヴが始まった(?)あたりからなんかもうすごい。まずそもそも音と歌・演出が半端じゃないし、ともありと犬王のお互いへの愛着とか……観終わってすぐの今のわたしには「なんかもう、すごい」としか言えん。

犬王が最後ともあり座の解散を受け入れるのも、ともありが受け入れられないのも、どちらも互いを大事にしているからであって、その結果食い違い、河原にともありの首が転がって尚、犬王は一世を風靡していたというのがね……まぁ、くるものがありますよね。最後に600年後の現代、二人で奏で戯れていたところを思うと、やっぱりともありと二人で作り上げてきたものを、たとえ制限されてでも断ち切りたくなかったのかな、とか。

その、ラストの現代のシーンもそうだし初めて二人が唄い舞うシーンもそうなんだけど、映像……というか、演出が緻密でよかったな〜と思う。
一方、歯や髭、あるいは唾まであまりにリアルに描かれていたところはちょっと嫌悪感感じちゃって苦手だった。雰囲気とか、当時の人たちの生活とか感じやすいのはわかるんだけどね。あとフジツボ(?)がちゃんと描かれてたとこと、異形のものが蠢くシーンとか、集合体苦手だからゾワゾワしちゃって目閉じちゃった。
残酷なシーンも多かったし、人を選ぶ作品ではあるのかな〜と思う。

作品としてはわたしは好き!なので背景とかもうちょっとちゃんと知りたいなと思いました。

2023_07
茜雫

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