平和を祈るヒツジくん

犬王の平和を祈るヒツジくんのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
4.8
「一人残らず聴いてやる!!!!!」
時は南北朝時代、天皇が2人いて争っていた暗黒時代。北朝の天皇は「自分が正統な天皇だ!」と、平家が壇ノ浦の戦いで落とした三種の神器のひとつ〈草薙剣〉を手に入れようとする───


平家物語×ロックという斬新な映画。
琵琶法師の友一(或いは友有)が琵琶を手にロック演奏するシーンが印象的。室町時代にロックンロールバンドを、ダンサーを連れてきたら熱狂すること請け合いである。足利将軍も釘付けになるのも仕方なし。


もう1人の主人公・犬王も忘れてはならない。
元々腕の長い、瓢箪の面(オモテ)を被った少年だった。犬王の出生はこの映画のキモとなる部分だ。劇中では「拾えぬ・掴んだ」と表現していたが、綺麗なストーリー構成だ。


ムジュラの仮面とどろろを彷彿とさせる。「踊り」「亡霊」「ホラーチック」「手塚ならぬ腕塚」「わが子を怨霊に引き渡す父」と、自分の好きな作品に共通する点がチラホラある。


アニメ『平家物語』からこの映画を知りましたが、想像を超えて凄い映画でした・・・