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犬王のakihiko810のレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.8
湯浅監督のミュージカルアニメ映画。

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。「ここから始まるんだ俺たちは!」壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

もしも室町時代にロックがあったら。
能楽師・犬王と友魚をロックスターに仕立て上げた、室町・ロックミュージカル。
湯浅監督といえば、デビュー作「マインド・ゲーム」から、カラフルでカオスな作風だが、今作もカオスな作品になっているので、持ち味を存分に活かした作品になっている。
リアリティ?そんなもんはクソくらえな、ロックの説得力があり、盛り上がりには事欠かない。
犬王と友魚というバディの友情ものとして物語が着地するのもよい。
ただ、奇抜な盛り上がりだけで押し進む作品なので、ギリギリ傑作まではいかない佳作、といったところか
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