Harumakiさん

犬王のHarumakiさんのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.6
【 見届けようぜ。 】


室町時代の京都を舞台に、盲目の琵琶法師と能楽師の犬王が日本を沸かす、唯一無二の“能楽ライブ”を描いた作品。

ライブ時の派手派手なアニメーション、アヴちゃんの唯一無二の歌声は今作の見どころ。
ただ、現代チックな能楽がメインになりすぎていたので、作品自体のストーリー性はほとんどないかと思えます。
正直なところ、アニメ作品の『平家物語』が良すぎたので、期待しすぎていたのかもしれないですね、、。


●異彩のミュージカル。
この作品の見どころはなんといっても犬王と友魚による能楽のライブシーン。
室町時代の世界観と現代的ロックによる異形のライブシーンはどのジャンルにも属さない特別すぎるもの、、、。
Queenをリスペクトしているような曲調や、歴史的エピソードと絡められた歌詞は案外クセになります。特に、鯨の歌は印象深い。

犬王の歌声や煽りなどは、その場にいるような“ライブ熱”が大いに伝わり、アヴちゃんの存在感に助けられているようにも思えました。


●室町時代の歴史的背景。
平家の忘れ去られた人々の物語を犬王と友魚が歌として世に伝えていく。ロックかつミュージカル調に歌ってはいるものの、しっかりとした歴史的エピソードがもとになっているので聞いていて面白い。さらに、前日譚としてアニメ『平家物語』を見た上なら、尚更この作品の世界観に没頭できるはず、、、。



◉まとめ
この作品でしか味わえない、今と昔をうまく繋ぎ合わせた犬王と友魚のセッション。鬼才の2人によるパフォーマンスは本当に盛り上がりがすごく、まるでライブを見ていたようでした、、、。
ただ、2人の最後などがあっさりとしすぎていたり、ストーリー性が薄いなど、物足りない感は否めないですね。
映画として楽しむにはもう少しボリュームが欲しかったと思いました、ライブ作品としては最高!!!!
Harumakiさん

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