しゃれこうべ

犬王のしゃれこうべのネタバレレビュー・内容・結末

犬王(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2023.51作品目
心掴まれる和製ロック。
当時の芸能とはまるで違う犬王の芸能。
華やかな演出。力強い歌唱。観客を巻き込むライブ感。
周囲に渦巻く思惑を跳ね除ける一世一代のチャンスを物にした。かに思われた。
これこそ、我が人生。とまで言わしめた自身の芸能を取り上げられ、琵琶法師とは別れを余儀なくされる。
伏せた顔、憎しみで満ちたその目、口元から血が出んばかりに噛み締めた怒り。
だからこそ、直後の飄々さが痛々しく見える。
人生の隆盛からの没落。
無二の友が見届けてくれなくなった犬王のその後が淡々とモノローグで語られるのはえも言えぬ寂しさがあった。
写実的な世界観に混在するファンタジー。
とても面白かった。
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