回想シーンでご飯3杯いける

オプラ・ウィンフリーPresents: 今、ボクらを見る目の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.8
1989年に発生したセントラル・パークに於けるおけるジョガー性的暴行事件を題材にした実話ドラマ「ボクらを見る目」の出演者や製作者、そして、冤罪によって青春の貴重な時間を奪われた当事者5人へのインタビューで構成された、Netflixオリジナル番組。

まずポイントになるのが、MCを務めるのが、アメリカのトーク番組史上最高の番組と言われる『オプラ・ウィンフリー・ショー』で知られるオプラ・ウィンフリーである事。僕はアメリカの放送事情を知らないけれど、イメージとしては「徹子の部屋」のスペシャル版をNetflixが企画した感じなのだと思う。そしてゲストが「ボクらを見る目」で題材になった当事者なのだから、アメリカ社会に対する影響の大きさは計り知れない。実際、この番組が配信されたことにより、当時5人の少年を収監に追い込んだ検察関係者に再び批判の声が上がっているそうだ。

僕は実話映画や実話ドラマによって、事実と演出の境界が曖昧になってしまう事を常から危惧しているのだが、そこに対して当番組は自覚的で、前半部分はドラマ関係者、後半は当事者と、出演者を完全に分けた番組構成になっている。話題も、前半はドラマの制作秘話、後半は冤罪で被害を被った当事者の気持ちや現在の活躍と、完全に方向性を変えている。注目すべきはやはり後半のパート。ドラマ本編を観た人は、是非チェックして欲しい。