てっぺい

ドリームプランのてっぺいのレビュー・感想・評価

ドリームプラン(2021年製作の映画)
3.5
【守る映画】
テニス姉妹を成功に導いた父の実話。終わってみれば、このドリームプランは父が娘を守るための計画であり、娘達もそんな父を敬い、教えを守ったからこそ栄光を勝ち取る。家族愛に溢れたスカッとサクセスストーリー。

◆トリビア
〇実在の父・リチャードはテニスの教育法を独学で研究し、「世界チャンピオンにする78ページの計画書」を作成。誰もが驚く常識破りの“ドリームプラン”を実行し続けた。(https://wwws.warnerbros.co.jp/dreamplan/aboutthemovie.html)
〇テニスの試合をリアルに見せるため、製作陣はビーナスを演じたサナイヤ・シドニー、セリーナを演じたデミ・シングルトンらを厳しいトレーニングプログラムに参加させた。サナイヤは左利きで、利き腕を変えてビーナスのプレイを再現した。(https://news.yahoo.co.jp/articles/9bed61b45f0beca0599ae7783a3242845c8f889b)
〇デミーとサナイヤを指導したコーチのひとりは、実際にリック・メイシー・アカデミー(姉妹が通ったテニス学校)に姉妹と通っていた人物。(https://news.yahoo.co.jp/articles/24c47865c6498e7b75001d448e36cd0855142490?page=3)
○製作総指揮を務めたのは、ビーナス&セリーナの実の姉であるイシャ・プライス。(https://news.yahoo.co.jp/articles/0154fc6851659e4eea58a4a0c85fa3d434cf4879)
○ エンディングテーマは、ビヨンセ書下ろしの新曲「Be Alive (From KING RICHARD)」。セリーナの結婚式に出席するなど親交がある。(https://www.cinemacafe.net/article/2021/12/09/76213.html)
〇本作には、往年の名プレーヤーであるジミー・コナーズやジョン・マッケンロー、ジェニファー・カプリアティ、名コーチであるポール・コーエンやリック・メイシー等も登場する。(https://news.yahoo.co.jp/articles/9bed61b45f0beca0599ae7783a3242845c8f889b)

今回、初めてワーナーブラザースジャパンさんに試写会にご招待頂きました。貴重な経験させていただきありがとうございました!

◆概要
世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育てあげたテニス未経験の父親の実話を基に描いたドラマ。
【原題】King Richard(キング・リチャード)
【監督】
「Monsters and Men」レイナルド・マーカス・グリーン
【出演】
「メン・イン・ブラック」シリーズ ウィル・スミス
「ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路」アーンジャニュー・エリス
「フェンス」サナイヤ・シドニー
「Godfather of Harlem」デミ・シングルトン
「モンタナの目撃者」ジョン・バーンサル
「ウォールフラワー」ディラン・マクダーモット
「ゴースト/ニューヨークの幻」トニー・ゴールドウィン
【公開】 2022年2月23日
【上映時間】144分

◆ストーリー
リチャード・ウィリアムズは優勝したテニスプレイヤーが4万ドルの小切手を受け取る姿をテレビで見て、自分の子どもをテニスプレイヤーに育てることを決意する。テニスの経験がない彼は独学でテニスの教育法を研究して78ページにも及ぶ計画書を作成し、常識破りの計画を実行に移す。ギャングがはびこるカリフォルニア州コンプトンの公営テニスコートで、周囲からの批判や数々の問題に立ち向かいながら奮闘する父のもと、姉妹はその才能を開花させていく。

◆関連作品
○「ダンガル きっと、つよくなる」('16)(レスリングで娘を成功させた父の実話インド映画。Netflixで配信中)
○「コーチ・カーター」('05)(スラムのバスケチームを成功に導いた先生の実話。Netflix配信中)
○「しあわせの隠れ場所」('09)(ホームレスからアメフトの有名選手にまでなった実話。Netflix配信中)


◆以下ネタバレ


◆父
一癖も二癖もある父リチャード。目の前にぶら下げられる大金を目にも止めず、黒人の侮辱を聞き逃さない。インタビューにも平気で割って入る。でもそれは、開かれた“窓”はくぐらず、きちんと“門”が開いてから入るという、確固たる信念の元にあるもの。きちんと教育を受けなければ、あのロックのようにスラムの犠牲になる。焦って“窓”から入ってしまえば、黒人の代表としての圧力に逆に娘が潰されてしまう。それだけは絶対にさせない。。「ドリームプラン」の真髄には、娘の天賦の才に気づいた父だからこその、必死に娘を“守る”プランが詰め込まれていた、そんな風に感じた。

◆母
そんな強気なリチャードが、本作を通して一度だけひるんだのは、妻のオーラセンに本音を突かれた時。雨の中での過酷な練習を強いるリチャードも静かに見守り、娘達を置き去りにするリチャードは全力で止める彼女。彼女が彼の揺らぐ自信を見抜き、ビーナスの意志を尊重することを進言した時、まるで全ての力が抜けたようにリチャードがオーラセンの肩に顎を置いたシーンが印象的だった。オーラセンを演じたアーンジャニュー・エリスが「これはキング・リチャードの映画であり、クイーン・オーラセンの映画です」と語った通り(https://news.yahoo.co.jp/articles/4d7fdb16c8985ba68cc8b5d95abc41091614454a)、2人の絶妙なバランスが姉妹を成功に導いた、そんな描かれ方だったように思う。

◆娘
ナイキとの契約の最終決定を委ねられたビーナス。自分のプレーを見ずに勧めてくる“窓”を断り、“門”から入る事を取った彼女の選択は、本作を見ていれば当然なものだった。第一戦を突破しても、父の教えの通り“謙虚”でいる事を忘れなかった彼女(逆にシャワー室で弾けた笑顔がとても素敵だった)。二戦目での敗戦も、その後多くのファンに囲まれるサプライズに見ているこちらもガッツポーズだったし、1300万ドルの契約を勝ち取った事も、ビーナスはもちろん、リチャード、オーラセン、そして家族が報われたとても素晴らしいラストでした。


ただ…姉妹のサクセスストーリーだと思っていたので、あまりにビーナスとセリーナの扱いが違うところは気になった。きっと姉妹の切磋琢磨があってこその成功(と思ってしまうのは固定観念か)だと思うので、その辺りは少し消化不良感あり。

引用元
https://eiga.com/movie/92519/
https://ja.wikipedia.org/wiki/ドリームプラン
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