ボギーパパ

ドリームプランのボギーパパのレビュー・感想・評価

ドリームプラン(2021年製作の映画)
3.2
2022-20 TJ横浜

なんとなくわかっちゃいそうな話だし、ウィル・スミスだし、、、触手が伸びない作品だが、アカデミー賞候補作だし、、、と思い鑑賞。

総体としては新味は感じられず、やはりなんとなくわかっちゃう作品であったが、ウィル・スミスは素晴らしかった。あのビーナス&セリーナ姉妹を育てた、テニス経験無しの父親はこういう人だったのか、まさにKINGと堪能。また中年のオッさん感はこれまでの彼に無かった味。この味が加わり、今後どんな作品を観せてくれるのか楽しみ!
そして、謙虚さが必要だと家族に説く割には、全く謙虚さを感じさせないGoing my way. 天上天下唯我独尊のパパに、よくついて行ったなぁあの姉妹は。という事は感じることができた。優しくある意味正しい『巨人の星』か。
そして母親オラシーンのポジションは、昔(明子姉さんタイプ)と今の女性の立場の端境期というか、際を見せてくれた。この部分は往々にしてある「耐え忍び、子どもを支える母」とは一線を画し、家族とはこうあるべき、言いたい事ははっきりと言い、話し合うことで目指す方向に一枚岩になり進む、という点を明確に提示してくれた。

更に、一番の見どころというか、考えさせられた点は、白人のスポーツ、しかも社交場にもなったテニス界に、コンプトン出身の家族が立ち向かった点。『42』にも似た視点もあり、アメリカの問題点を描き出しもしているところ。想像するにテニス界なんて最も人種差別が酷かったろうに、、、とは言え、この部分の描き込みはずいぶんあっさりしていて、拍子抜けしたくらい。反面コンプトンに来たメイシーコーチが危なかったところに、ははぁと感じるものがあった。

スポ根嫌いじゃないけど、、、新味が感じられず残念。しかしアメリカの。スポーツ界の現状に至るまでの偉大なフロンティアの二人、そしてその背景を描いていたのはGOOD!

アカデミー賞作品賞はどうでしょうか?主演男優賞も?他の作品が・・・
助演女優賞は十分あり得る!

カプリアティって名前すっごく久しぶりに聞いた(^^)遠景ながらも感じはピッタリでしたね。サンチェスはもちっとゴツかったような・・・
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