「最大の障害は父」
世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス＆セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育てあげたテニス未経験の父親の実話を基に描いたサクセスストーリー。第94回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、助演女優賞ほか計6部門にノミネートされ、主演男優賞を受賞。ウィル・スミスが3度目のアカデミー賞ノミネートで初のオスカー像を手にしたが、そのアカデミー賞の現場で事件を起こしたことは皆さん記憶にも新しいんではないだろうか。詳しくはググれ。
こんな漫画みたいなサクセスストーリーが実話なのには驚いた。元々姉妹はテニスの才能があったんだろうな、としか言えない。特に試合にも終盤まで出てないから挫折とか悔恨も当然あったんだろうけど、少なくともこの映画の中ではそういう描写はあんまり無かったので、なんかトントン拍子にコトが運んだとしか思えないわ。
挫折があんまり無いぶん、父親が周りと家族との軋轢を一端を担っててそこがこのドラマの主軸。この父親がとにかくヤバい。よくもまあ娘達が文句ひとつ言わずにテニスの練習続けれたなと思う。結果良ければ全て良しの典型的パターンな父親のプランだが、それにしてもキツいわ。途中からどうしたいかを娘に決めさせる下りからは良かったが、それまではマジで娘を自分の計画の為にしか見てない感じが否めなかった。コーチだってただ同然でしかも食費諸々出して貰ってるくせによくもまああんな横柄な態度を取れるな。実力があるのがそんなに偉いのか。
実話として見たら物凄い奇跡のような話だろうけど、なんか好きになれない映画だわ。実力さえあれば何しても良いのか的な。娘達に謙虚になれとか言っておきながら自分が一番謙虚じゃないような自分が嫌いな人物像にピタリと当てはまったわ。いやまあそう思ってる時点でこの映画の掌に転がされてるかも知れんが。まあ映画としての面白さはあった分良かったんだろうけどね。
