Kらりー

ドリームプランのKらりーのネタバレレビュー・内容・結末

ドリームプラン(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

吹き替え鑑賞。

とにかく奇跡の物語だと思う。
家族の在り方が奇跡。というか特殊、ともいえるのか。

原題はキング・リチャード、そのままで良かったのでは。

冒頭から家族が明るく元気に父に従っているように見えて驚く。
車に5人姉妹が乗り込み、父と一緒に公共のテニスコートへ赴く。その様子がとても異様。
反抗期や思春期の頃ではないのか?
多分周囲の人には相当不思議な光景だったんだろう。
観終わってから知ったがホームスクールを取り入れていたようで、子供たち友人すらいなかったのでは?そりゃ隣人に通報されかねないわ。
映画では隣人に対して、家族のことなんだから特に協力するでもない他人はほっといてくれよ、とも捉えられるけど…。

自伝から得られる情報を見ると、父親に対して映画とはまた少し違う印象を受ける。

周囲の環境が最悪だからこそ、独善的に軌道を整えてあげる必要があったのかな、女の子だし…と思ってたけどタフな環境を求めてわざわざコンプトンへ引っ越したらしくエッと思った。
けど父親が、妻や子供に向き合ってくれるところはよかったかな…。うーん?

しかし世界的なレジェンドを2人も育て上げたんだからやっぱりすごい、しドラマになるなぁそりゃ、って感じなんだけど、改めて実話って聞くとフームとなるのはなぜだろう?
物語の核心というか、行動原理とか父親の厳しい理由とかが抜けてたからかなぁ?
いや、出てきてたか。子供としての生活をさせてあげたい…けど有名にさせたい?黒人の夢?なんか色々ちぐはぐに感じてしまったからかな?
素人がどうやって育てたのか、父の人格…
いややっぱり何が描きたかったの?
栄光のシーンだけ切り取ったのかな?うーーん?

子供達をしっかり首席で卒業させたりして、両親もやはり優秀な人だったのかな。2度目の奥さんは看護師だったし…。
あと結構しっかりとキリスト教徒だったのかなぁ。
(追記、セリフでもあった通りの宗教に入っていたらしい。なるほど…だからオラシーンが「神によりあなたと寄り添っているけど、黙っていることは承認してるってわけじゃない」的なことを言っていたのか。)
背景わからないことばっかだからもっと描いて欲しかったかなぁと思う。リチャードが模範的であろうとした、みたいなとことか。そうすると説教じみてやな感じになるんかな。

でもちょいちょいアツさにほろりときたり、最後のみんなに迎え入れられるシーンや、エンドロールはグッとくるものがありました。

いやー、真似しようと思ってもできないだろうしするなよ…とも思うなぁ。
まぁこうやってあの女王2人は育てられたのです…って感じだけ見れば良いんだけど、ドリームプラン、とか言われちゃうとなんていうか。
ドリームプラン何個か教えてくれてたら、あぁなるほどとすんなり受け入れられたかも。
だからやっぱりキング・リチャードで良かった気がする。しつこい


破天荒な父か…けどそれをかなり受け入れてる家族がすごいのよ…いやあの感じはどうやって作られるものなんだ?母親のおかげにしたってその描写がやや不十分に感じた…
外界とのシャットダウンのおかげ?
だから奇跡の家族の話だと思う。もはや神話というか。不思議なんだよなぁ…
ただ美しい物語、ってならない作品だな。
(案の定ちょっと調べたら毒父の家父長制と宗教って記事などが出てきた。水を差すようであれですが…)
これウィル・スミスじゃなかったらもっと批判してたかも。俳優ってすごい。
娘たちもめっちゃ可愛かったな。


そのうち大谷翔平の家族もこんな感じで映画になるのかなぁ。
大坂なおみのお父さんがリチャード・ウィリアムズの著書に感動したって書かれてたな。
アスリートでよく家族がコーチしたりしてる人いるけどこんな感じなのだろうか?
タフだなぁ。
普通の生活なんて要らないんだろうな。

とはいえこの時代、もといた環境から抜け出すにはこれくらいしないといけなかったのか…。
Kらりー

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