のりこ

生きるののりこのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.3
実は黒澤明の作品をちゃんと鑑賞するのは初めて(日本人として恥ずかしい…)。昔の作品だし見づらいかなって覚悟してたけど、全然そんなことない!カット割が多くてするすると理解できたのと同時に、ある意味時代を感じさせないのは監督!さすがです!としか言いようがない笑。

さて、内容はと言うと、「人が生きる意味」という人類普遍的な感じなテーマを扱っていて、世界中にファンがいる理由がわかった。ポイントなのは、「ああこう言う立派な人いるよね〜すごいね〜」と偉人を扱った作品は数多くあるけれども、「あ、これは自分なのかもしれない」と思えるところ。主人公は、毎日同じことの繰り返しで仕事に精も出ない、いわば退屈な人物。ある日余命宣告をされて、自分にできることはなんだろう?と思うようになる。この姿には本当に感銘を受けるし、終盤の構成も工夫されていて凄く良かった。自分に喝を入れるときに再見したいなと思った一方、ただの闘魂映画には留まらない懐の深さ、温かさが感じ取られた。

来年はHBO Maxで配信されてる小津・黒澤作品を制覇したいと思います。

2022 #90
のりこ

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