このレビューはネタバレを含みます
今時こんな口下手な人は見たことがない。
でもテンポの遅さや何言ってるのかわからないところとか、少し父に似ていて、はっきり言ってよと怒り出すのもすごくわかるので可笑しかった。
主人公が何かを作りたいと閃いた時、ハッピーバースデーが歌われたのがなかなかギャグで、帽子を取られまいと隠したり、帽子を踏まれたり、クスッとさせるシーンが可笑しかった。
お通夜で遺族の前で皆が功績を非難したり、かと思ったら褒め出したり...息子はどんな気持ちで聞いてるんだろうと考えると可笑しかった。
自分の葬式も、良いことでも悪口でも構わないから、自分の話をしてくれる人が集まってくれたら嬉しいなと可笑しなことを考えてしまった。
何かを一生懸命にすると、誰かが見てくれてるもんだなと。死に向かって生きて、生に向かって死んでいく、そんな可笑しな映画だった。
白黒の古い映画だが、話の構成やカメラワークがしっかりしていて観やすい。古さを感じさせない流石巨匠の名作。