蓮太郎

生きるの蓮太郎のレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.3
市役所の課長として空虚な人生を送っていた男が胃がんにより先が長くないことを知り、残り残された命で自分の生涯と向き合っていく様子を描いた物語。
黒澤明監督の作品を初めて鑑賞させてもらいましたがめちゃくちゃよかったです...
観終わった後にとても考えさせられる作品だなと感じました。
前半では部下からはいてもいなくてもいい存在として扱われ、早くに妻を亡くし一人で大切に育ててきた息子からはぶっきらぼうな対応をされる渡辺の絶望感がしっかりと伝わってきました。
一番印象に残ったのは渡辺が「もう遅い...いや、遅くない」と言ったシーンで、そこから渡辺の第二の人生が始まり、生きる意味を見つけた瞬間のように見えました。
"限られた人生をどう生きるか"を気づかせてくれるとても素敵な作品でした。
蓮太郎

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