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生きるの010101010101010のレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.0
この映画を祝日(成人の日)の昼間にNHK地上波で上映するってのは、一つの事件である(‘24.01.08)。
しかも政権が、まさに一向に民意に耳を傾けようともせず、醜態を晒しながらも平然とのさばりつづけている、行き着くところまで行ってしまった感もある中で。
NHKの中にも、矜持を持って何かを伝えようとしている人がいるのだと強く受け留めた。

本心から市民の声を聞いてくれて、動いてくれる役人やお偉いさんはいないのか?利権などと関係なく。そういう人は、だいたい変わり者扱いされて、政策を動かす中枢からはじかれる。それが現実だろう。
あんたらの良心はどこにある?倫理はどこへ行った?そんなもの、はじめっからなかったのか?
この映画は訴えてくる。
お前の生き方はそれでいいのか?
お前は一体これまで何をやってきたんだ?と。

洒落たハットのくぼみ!
ハッピーバースデイのヤバさ!
葬式に来て誰よりも悲しんでいる人たち…!
雪のブランコで口ずさまれる歌!
そして通夜の席での決心をすぐに忘れてしまう役人たち…。

今まで3〜4回は観ているが、やはり中盤からの展開が黒澤らしくていい。
毎度、泣かされる。
道徳か倫理の授業で見せるべき。