おかちゃん

生きるのおかちゃんのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
3.2
森田アナウンサー曰く「黒澤Humanismの原点」だそう。

・ストーリー展開は、前半で役所に勤める無気力人間(志村喬)が癌の宣告をきっかけに、人生の儚さと生命の力に気づく。
・そして、後半は官僚主義や組織弊害のアンチテーゼを描く。
この2つに分かれる。

キャストは、往年の名優ばかりがドンドン顔を出す(当たり前か…)。藤原釜足、千秋実、左卜全、加藤大介、浦部粂子、菅井きん…。伊藤雄之助なんて、昔の映画で見たよな…アクが強くいい味だしてね。1人解らない役者が「えっ❗️金子信雄⁉️」まんまるの金子さんはよく拝見させて貰ったけど、こんなほっそりした金子さんは初めて🤭
あと、夜の盛り場・ダンスホールでの東京キューバンボーイズとboogie-pianoのノリが本物でハンパない。今、こういうノリを出すtuneがあるか?

しかし、昔も今も人間がやることは似たようなもんで(今となんら変わらん😡) 、しかもそこの中に必ず1つの要因として色事がきっかけに絡んでくる(この頃の人物設定だから、この色事❤️は発展しないが…😀)。 とは言えそれで終わらないのが黒澤映画の理性なんだろう。
そんなことを思わせる映画だった。

この時代、まだ人間のHumanismを信じさせる力が社会の中に残っていて、それが社会規範を形造っていた。あの、都会の片隅の三角公園のように…。
いま、あちこちの公共施設が「再開発」の名の元にScrap&Buildされている。(流行っている古民家Cafeでも、善いものもあるが昭和を知る我々からすると「これ、ただ古いだけじゃね⁉️」のもある)本当に良いものが遺されているか?ある例だが、山下達郎氏がradio番組で「よい音響ホール建替えが全国的に進められているが、変に便利になるだけで一番肝心な部分を失わないこ事を祈る云々→同感‼️
私達の街は、そういう(主人公のような)方達の積み重ねで出来ている事を気に止めておこう。もちろん、前進も必要だけどね😉➰💕