このレビューはネタバレを含みます
黒澤明監督(1910-1998)の黒澤ヒューマニズムの頂点ともいえる今も世界中で愛される名作。
主演 志村喬 市民課の課長 渡邊
♪命短し恋せよ乙女〜♪
主人公が余命が短いことを悩み、居酒屋で作家と会った後のキャバレー豪遊シーンや役所を辞めた小田切さんと様々な体験をするシーンを通して、昭和27年の日本の街並み、風俗・世相、ファッションを垣間見ることができて、思ったよりも意外と戦後の日本の都市化・欧米化が進んでいて興味深い。
私はイギリス・リメイク版をこのオリジナル版よりも先に劇場で鑑賞した。
イギリス・リメイク版には多分なかった喫茶店で歌われる♪happy birthday to you 〜の使い方、意味付けが素晴らしかった。
主人公はここで生きる意味を再発見する。
また、イギリス版(102分)よりも、オリジナル版(143分)はお葬式のシーンが非常に長く、参列者を描写することによって、より人間臭い映画になっている。