Salt

生きるのSaltのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.5
久しく、こんなに高く点をつける。
仕事一徹だった父が私が働き始める時にぜひこれを観なさいと言ってくれた。

戦後すぐに生まれた父からは、夕時に公園で遊んでいると母が自分の名前を呼びに来たと懐かしげに語っていた。
その母、私からすると祖母は父が8才の時に結核で亡くなるので私は話したこともないし、動画すら残っていない。
この映画にも子を負うた母や子供が出てくるが、その人たちにとって瓦礫や水溜まりで無い公園は大切な場所なのだろうと感じる。

インフラが発達した現代では考えもつかないことだろうが、やはり公園にしろ、橋にしろ、ダムにしろその立役者となって骨身を削って奮闘した人達がいたことを私は忘れたくないと思う。
その時代に生きた仕事をすること、生きて仕事をしていると感じること、自分の志すら定まらない雛ではあるけれども、死はいつでも来ることを心に留めておく。
生は死の中にこそあるものなれ、とはよく言ったものだなと思う。
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