拝一刀

生きるの拝一刀のレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
5.0
追記:2023/06/20
2023年9月にミュージカル『生きる』を2回見に行くことになり、本日はその製作発表会を観覧しました。

市村正親さんや鹿賀丈史さん等のプリンシパルキャストの方々が登壇して披露してくれた持ち歌を聞いて、前回舞台を鑑賞した2020年以来3年ぶりに感動を新たにしました。

この映画を見て心を動かされた方なら、是非ミュージカル『生きる』もご覧になった方がいいですよ。

私は2020年の舞台を2回見て2回ともボロ泣きしました。

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生涯ベストテンに入る大好きな作品です。

特に自分の死期を悟った主人公が、男手一つで育てた息子の成長を回想する場面が印象的。

息子が野球の試合でヒットを打った後すぐに塁間に鋏まれてアウト。あの時の勘治さんの喜びと落ち込みよう。

自慢の息子がやがて期待外れな存在になってしまう様を象徴的に描くこのシーンは何度見ても胸が締め付けられます

※以下はリメイク版の『生きる』に対するレビューです。よろしかったらお読みください。


黒澤明版の映画『生きる』は私の生涯ベストテンに入る大好きな作品で、鹿賀丈史版と市村正親版のミュージカル『生きる』も鑑賞済みです。

どんな作品でもリメーク版は往々にして失敗作に終わることが多いので、オリジナル版が大好きな私は本作品を鑑賞して落胆するのではないかと心配していましたが、杞憂に終りました。

敬愛するカズオ・イシグロ氏の脚本が素晴らしく、設定の細部に若干の違いがあるものの、大筋はオリジナルに忠実な展開で、それでいていかにもイギリスらしい風情があります。

自らの「死」期を悟って初めて「生」が蘇るという普遍的なテーマを扱っている作品なので、老若男女全ての人が楽しめる映画だと思います。

追記1:ぜひオリジナルの黒澤明版と見比べてみて下さい。

ただオリジナル版はセリフが聞き取りにくいのでDVDかBDで日本語字幕付きで鑑賞されることをおすすめします。

追記2:今秋(2023年9月)、新国立劇場にてミュージカル『生きる』を2回(ともに鹿賀丈史版)観に行くことになりました。
今からとても楽しみです。
拝一刀

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