ボギーパパ

ビーストのボギーパパのレビュー・感想・評価

ビースト(2018年製作の映画)
2.5
劇場2021-76 kino天神 韓国作品7本目

思いもかけず時間ができたため評判の高かった本作を鑑賞。

仁川の街に発生した女子高生行方不明事件が遺体発見により殺人事件に、、、そして捜査がライバル班長同士の思惑が複雑に絡み合いながらも進むにつれて連続猟奇殺人の疑いが、、、という流れ。サイコとクライムのサスペンスなのだろうが、、、

全体の感想として、まず構図が呑み込みづらい。サイコ色と警察内部暗闘色が融合できずに進んでしまうためか。

一つ一つのファクターとしては謎のマダムの存在、韓国暗黒街の構図、朝鮮族?中華街のボスとの力関係が分からず、複雑化し説明不足というか、受け入れにくいためなかなか没入できない。話がとっ散らかっている感すらある。

そしてハンスとミンテの関係性もそう。ライバルの班長同士なのはわかる。でも終盤に元相棒だということが判明するが、そういうことをもっと早めに判明させないと物語に深みが出てこないのではないだろうか?単なる対立構造では説明できない何かがありそうではあったが、もったいないなぁと思う。

そして話の主軸となる猟奇殺人だが描写が物足らないし、そもそも割合的に少ない。監督が描きたかったのはそこじゃないという向きもあろうが、『羊たちの沈黙』ぐらいのボリュームが無いと映画としての厚みが出てこないように思える。
(終盤の動物病院の件は膝を打ったけれど、出し方とセットが不恰好としか思えない)

テンポは良いのだけれども、バランスと出し方・話の流れについて個人的には不満が残る。期待が大き過ぎたせいか、、、『セブン』ぽさを感じさせてくれていただけに、そしてイ・ソンミンの演技は流石であっただけに作品としては残念。
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