ShinMakita

キングメーカー 大統領を作った男のShinMakitaのレビュー・感想・評価

2.0

1960年代後半の韓国・木浦。保守系野党に属する活動家キム・ウンボムの演説を聴いた薬局店主ソ・チャンデは、その理想的民主主義論に感銘を受け、選挙スタッフとして自身を売り込んだ。その後、頭脳明晰なチャンデのアドバイスでウンボムは地方選挙を勝ち続け、いよいよ国政選挙に売って出ることに。野党が連合して打倒・朴政権のため立ち上がった「新民党」の候補となったのだ。しかし政権・共和党側の候補は、大統領の応援演説と潤沢な予算・賄賂を武器に木浦地区住民たちを懐柔。敗北が見えた勝負だったが、チャンデの奇策が成功し、ついに国会議員キム・ウンボムが誕生した。そして70年代、新民党の中でも一目置かれる存在となったウンボムに転機が訪れる。長かった朴大統領の任期が終盤になり、大統領選が始まるのだ。そこでウンボムが新民党内の大統領候補指名選に挑むことになる。党総裁を味方につけている新民党のナンバー2 キム・ヨンホを相手に、苦戦するのは間違いない。そんな中、日陰の存在として1スタッフの地位に甘んじていたチャンデは、この指名選に乗じてある行動に出るのだが…


「キングメーカー」

以下、ネタバレを作った男。

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実は邦題が若干間違っているんだけど、それはまぁ置いといて。キム・テジュンがモデルである政治家と、彼を「影の存在」として支えた選挙コンサルの愛憎混ざり合う複雑な関係性を描いた政治ドラマです。

ウンボム役のソル・ギョングはさすがの存在感、チャンデ役のイ・ソンギュンはいつものイケボで不敵な笑みを見せてくれます。見せ場となる選挙選は木浦地区国政選挙、新民党大統領候補者選挙、大統領選と3つあるわけですが、その3つの戦法が見どころ。実話ベースではあるけど、3つとも違う戦い方をしているのがエンタメ的に面白い。

信義と友情の狭間で苦悩する男2人のブロマンス。ラスト、鶏の卵泥棒のエピソードが鮮やかに反転し、2人の真意が明らかになるのはお見事。キム・テジュン3部作(本作→KCIA南山の部長たち→工作 黒金星と呼ばれた男 が時系列順)とキム・テジュン外伝(KT)の四本で金大中サーガか出来上がるので、興味があれば、ぜひ^_^
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