金大中大統領がモデルになったと思われる作品だが、主役はその裏で暗躍した参謀スタッフのチャンデの視点で描く。
野党候補のウンボムに憧れ、何とか選挙スタッフになろうと懇願。
そしてスタッフになってからは、当時当たり前に横行していた賄賂を積極的に活用する。
ウンボムは当然そんな戦略は知らないが、次第にこの2人の理念が変わり始めていく。
過去の政治状況をこうも赤裸々に映画化できるのは、アジアでは韓国くらいであり、日本や中国では作っても上映不可であろう。
チャンデの心情が読みにくく、当初は選挙参謀の裏方としてアイデアを出していくが、次第に表への羨望が顔を出していく。
果たしてこの男はウンボムに憧れただけなのか。
ウンボムの方も最終的には大統領に上り詰めるが、この映画以上にドラマチックな人生を歩んでいる。
視点が変わると政治の思想も変わるわけで、その意味で対比が面白い政治ドラマだった。