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ソウルフル・ワールドのpanakiのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.8

今年一番楽しみにしていた映画のため、配信開始17時ぴったりから鑑賞を開始。
ピート・ドクターらしい哲学的でメッセージ性の強い映画だけど、ちゃんと笑えてハッピーな気持ちになる映画。(ゾーンに入ってるシーンとか)
こんな素敵なお話、配信だけだなんて本当に勿体ない!
映画館で観たかったし沢山の人に観てほしい。


ストーリーは“どんな自分になって生まれるか?”を決める、生まれる前の魂(ソウル)のお話
(ちなみにピクサーの【リメンバー・ミー】は死後のお話)

主人公はプロのジャズピアニストを目指す音楽を愛する黒人男性で、このソウル(魂)とソウルフルをかけているあたりもお洒落。

予告を見てすでに泣いていた私は、『この人生においての夢やきらめきを見つけて大切にしよう』という話だと想像してたけれど、いい意味で裏切られた。


例えば好きなシーン、床屋の友人デズに逢いに行くところ。
床屋という職は、デズにとってのきらめきであり天職だと主人公は思っていた。
けれど本当は獣医になりたかったと言うデズ。
じゃあ行き詰まって不満なのか?と問われるとそうではない。
床屋という職で「人を救っているんだ」と堂々と答える。

人生でなにを成すか?
選択を誤ると行き詰まるのか?
答えはそうじゃないことを教えてくれる、とても大切なシーン。




私の話になってしまうけど、天職だと思っていた仕事をこのコロナ禍で退職した。
大切にしていたものが急に無くなり、人生の“きらめき”を失い、何かがプツンと切れた感覚。


でもこの映画が教えてくれることは
大切にしていたものを失ったって、
夢が無くたって、
人生に意味なんか無くたって、
そんなの別にいいじゃない?ということ。
そう思わせてくれるラストに泣けた。


当たり前にあると思っている毎日の全てのことは、当たり前じゃないと改めて思える素敵な映画でした🍕
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